わが国のアルコール販売戦略の実態

一人あたり年間消費量は世界二六位
日本のアルコール消費量は、欧米と比較するとまだまだ低い水準にあります。これはもともと日本が貧しい国であったので、アルコール消費量も低い水準なのです。しかしながら、欧米のアルコール消費量がほぼ頭打ちかやや低下しているのと比較して、日本では高度経済成長以来グーんグーん増加しており、この三0年間に約五倍となっています。
世界各国のアルコール消費量を比較すると、人口一人あたり一年間のアルコール消費量は、フランスが一位で一二・七リットル、日本は二六位で六・五リットルとなっています。日本のアルコール消費量は増加しており、どんどん順位は上がってきているのですがまだこの水準です。いわゆる先進国の中では一番低い水準にあります。
それではいったい日本のアルコール消費量は、このまま欧米の水準に追いつくまで増加していくのでしょうか。
身近かなところに目を転じてみた時、今の日本にはアルコールがあふれでいます。宴会に出ても飲み切れないほど出てきますし、人、が集まると必ずアルコールが出てきます。私のまわりを見まわしても、お酒を飲むことを我慢している人などいないという印象を持ちます。前にも述べましたが、日本人の約半数はフラッシャ!と呼ばれる飲めないタイプなので、日本人全体でも、欧米人と同じ量のアルコールを消費することは出来ないのです。つまり日本人の大人の男性のアルコール消費量は、ほぼ限界に来ていると考えることができます。そうすると、日本のアルコールの消費量がさらに増加するためには、従来飲酒文化の外にいた女性と若者の消費が増加することしかないわけです。
この辺は酒造業界も心得ていて、アルコール消費をさらに増加させるためには、女性とヤングーを刺激しなければならないと販売戦略を立てているわけです。そこで酒造業界のお酒の新製品売り込みのターゲットは、女性とヤングーに焦点が合わされることになるのです。

ターゲットは女性とヤングー
カンビール、カンチューハイ、カンウイスキー(水割りウイスキーてさまざまなサワー類などの新製品は、そのほとんどが女性とヤングー向けといって過言ではありません。ビールはどんどん軽い味になって、口あたりが炭酸飲料と変わらなくなっています。チューハイもさまざまに炭酸飲料風の味つけがされています。その他さまざまなフィズがかわいいカンで登場しています。こうした新製品のアルコール飲料は、カンジュースやカンコーラを飲んで育った世代にとって、飲み方も口あたりもほとんど変わらない飲み物として、抵抗感なく買われていくのです。
数年前、複数のメーカーがキャラクター商品と見間違うようなカンピールやチューハイを売り出し、そのキャラクターをテレビのコマーシャルにまで登場させ、イメージで売り込もうとしたことがありました。一つのメーカーは調子に乗り過ぎ、そのキャラクターのおまけまでつけてしまったので、幼児がそのキャラクターを欲しがってお店でダダをこねるというエピソードがマスコミで報道され、世間のひんしゅくを買ってその企画は泡と消えたことがありました。その商品は、そのキャラクターのかわいらしさ面白さから、明らかにヤングーと女性をターゲットにした商品であったことは確かです。
それ以後はここまで非常識な新製品販売競争はありませんが、ビジュアルな文化で育ったヤングーに向けて、ビジュアルなイメージアップをねらった販売競争が続いているのです。

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