中学生四%、高校生の一五%が習慣的喫煙者
未成年者の喫煙についてはずいぶん昔から問題になり、対策も立てられてきました。それでも未成年者の喫煙は一向に減らないようですし、ますます低年齢化しています。今でも高校生で喫煙のため停学処分を受ける生徒は後を絶ちませんし、中学校でも学校での喫煙に先生達は頭を悩ましています。
今や小学生においても習慣的な喫煙をしている子どももいます。
映画でもテレビドラマでも、タバコを吸うスタイルはいかにも気取って見えますし、タバコを吸う姿の中に感情表現を込める演出も、依然として多いのです。ですから、子ども達が背伸びをして大人のまねをしたくなった時、タバコは格好の小道具となるのでしょう。また子ども達が大人や社会への反抗を始めた時、大人の作ったタブーを破ろうとする自己確認のための象徴的表現が、喫煙でもあるようです。
私達の調査において、中学生全体で四%、男子生徒で五%、女子生徒で二%が習慣的な喫煙を行っています。高校生全体では一五%、男子生徒でニコ一%、女子生徒で九%が習慣的な喫煙を行っています。さらに今までタバコを吸ったことがあると答えた生徒は中学生で二O%、高校生でコ一四%も存在しました。つまり喫煙はかつてのように「不良」のシンボルではなくなり、普通の子でもやっている時代になったといえます。
普通の子がこれだけ多くタバコを吸うようになったのは、日本が豊かになり、子どもが早くから自分の個室を持つようになったことと関係があるのでしょう。自分の部屋は自分だけの城で、その中では何をしてもよいという感覚が子どもにあり、親が気がつくのが遅れてしまうのです。

酒もタバコも普通の子
しかし、タバコは単なる「かっこつけ」や「大人のまね」には終わりません。タバコには習慣性や依存性も生じてきます。ですからいったん吸い始めるとなかなかやめられなくなり、親が気がついた時にはもうやめられなくなっていることが多いのです。
喫煙をする生徒は飲酒もしていることはよく知られている事実ですが、そのことは私達の調査でも確かめられました。習慣的な喫煙をしている生徒のなかには、リスクの高い飲酒をしている者が多く存在していました。「酒を飲み、タバコも吸う」のは一土旦別には不良のイメージでしたが、今はどこにでもいる「普通」の子どももやっている時代になったのです。